海中富士！新種のイソギンチャク「ウミノフジサン」発見！

千葉県立中央博物館海の博物館の柳研介主任上席研究員らが参加する研究グループが、駿河湾・相模湾で採集された奇妙なイソギンチャクを新種として発表しました。そのユニークな姿から「ウミノフジサン」と名付けられたこのイソギンチャクは、既存のどの科にも属さない、全く新しい科・属・種であることが判明しました。

ウミノフジサンは、通常のイソギンチャクとは異なる複数の特徴を持っています。まず、体の内部を仕切る隔膜が10枚しかない点です。一般的なイソギンチャクは6対12枚の隔膜を持つため、これは非常に珍しい特徴です。さらに、触手の数が3つずつで最大6組あり、触手のない部分もあるなど、その形態は極めて異質です。

そして何よりも目を引くのは、収縮した時の姿です。扁平な体に中央部が盛り上がり、横から見ると富士山のように見えることから「ウミノフジサン」と命名されました。

この発見は、6月19日付の国際学術雑誌「Diversity」に掲載され、海洋生物学に新たな知見をもたらしました。 ウミノフジサンの発見は、まだまだ未知の生物が存在する海の奥深さを改めて示す、貴重な成果と言えるでしょう。 今後の研究によって、ウミノフジサンの生態や進化の謎が解き明かされることが期待されます。