戦時下の「村報」に隠された、島本の知られざる名所とは？

島本町では、文化財に関する未公開情報を発信する企画を始めました。
今回は、貴族院議員だった水無瀬忠政氏の史料から、昭和14年（1939年）発行の「村報」を紹介します。

第二次世界大戦勃発直後のこの時期、「村報」には戦時色の濃い記事が多く見られました。
しかし、その最終記事には、当時島本村にあった壽屋山崎工場（現サントリー山崎蒸溜所）に関する記事が掲載されていました。

記事では、ウイスキー醸造の条件や種類が詳述され、国産ウイスキーが海外の有力業者から抗議を受けるほど品質が高かったことが記されています。
そして、「サントリーウイスキーとサントリー」を島本の新名所として挙げる工場側の謙遜するような言葉で締めくくられています。

86年後の現在、サントリー山崎蒸溜所が島本町の名所として欠かせない存在となっていることは、当時の記事が予言していたかのようです。