羽田空港拡張による騒音問題：千葉県民の声と今後の対策

令和7年7月24日開催の羽田再拡張事業に関する県・市町村連絡協議会では、千葉県からの航空機騒音に関する苦情（令和6年度103件、前年度比66件減）と、国土交通省からの騒音対策状況の説明が行われました。

国土交通省は、令和6年度の騒音測定結果を報告。南風運用増加により南風着陸経路下の騒音は増加傾向にある一方、新飛行ルート運用による騒音軽減効果も確認されました。富津沖海上ルートの運用比率は当初見込みを上回り、低騒音機の割合も増加しています。新たな管制技術（GLS進入方式）の検討も進められています。

しかし、千葉県側は、騒音軽減効果が一部測定局には明確に表れていないこと、都心上空ルートの運用時間が目標に達していないこと、深夜・早朝時間帯の海上ルート利用の徹底などを求めました。

具体的な要望としては、富津沖海上ルート運用比率の更なる向上、低騒音機導入促進のための料金体系見直し、都心上空ルートの運用拡大検討、深夜早朝時間帯の騒音配慮、千葉県上空の騒音軽減策（降下角引上げ、着陸機交差低減など）の早期実現、情報公開の更なる充実などが挙げられました。

国土交通省は、これらの要望に対し、継続的な取り組みと検証を約束しました。今後も、千葉県民の生活環境を守るための騒音対策が重要な課題となります。