愛媛県南海トラフ地震被害想定：中間報告で明らかになった最新リスク

2025年9月8日、愛媛県知事は県地震被害想定調査の中間報告を発表しました。南海トラフ巨大地震（マグニチュード9クラス）、安芸灘・伊予灘・豊後水道プレート内地震、中央構造線断層帯地震の3つの地震を想定。その中で南海トラフ地震の被害が最大とされ、その結果が公表されました。

調査ではボーリング調査数を約4割増やし、精度向上を図りました。その結果、震度6強の範囲は減少し、最大震度7の市町数も減少しました。液状化危険度は松山市、今治市など平野部や海岸部に集中。土砂災害危険度は県全域に分布しますが、震度の減少に伴い、危険度レベルの高い箇所は微減しました。

最大津波高は佐田岬半島先端（19.4メートル）でしたが、局所的で人家のない場所です。伊方原発周辺は3.4メートルで、原発建屋の地盤高（10メートル）より低い数値です。宇和海沿岸は6～8メートル、瀬戸内海沿岸は3～4メートルの津波高が想定され、浸水面積は地球温暖化による潮位上昇の影響で前回調査より微増しました。特に西条市で浸水面積が最大と想定されています。

県は、最も厳しい条件を想定した結果であることを強調し、地震発生時は速やかな高台への避難を呼びかけています。今後、人的・物的被害、経済被害などを想定し、年度内に最終報告を公表する予定です。