市販薬の「オーバードーズ」、その実態と危険性、そして支援への道

市販薬を定められた量を超えて使用する「オーバードーズ（OD）」が、近年広がっています。これは、かぜ薬や咳止め薬などを、症状緩和ではなく、感覚や気持ちの変化を求めて大量に服用する行為を指します。

市販薬の過剰摂取は、肝障害や心肺停止など、身体に深刻なダメージを与え、最悪の場合、死に至る恐れもあります。市販薬には多様な成分が含まれるため、中毒症状の原因特定や治療が困難になるケースも少なくありません。

オーバードーズは、特に10代・20代の若者を中心に増加しており、その背景には「孤独感」や「自分をうまく表現できない」といったつらい気持ちを紛らわせる目的があるとされています。いじめや虐待、家庭環境、学校での孤立などが、オーバードーズの根底にある問題として潜んでいる場合もあります。

悩みを一人で抱え込まず、誰かに相談することが大切です。ご家族や周囲の方は、本人の些細な変化に気づき、傾聴する姿勢で寄り添い、安心できる居場所を作ることが求められます。専門機関への相談窓口も用意されています。