2025年2月25日、愛知県主催の「取引適正化・価格転嫁促進シンポジウム」が開催され、259名が参加しました。本シンポジウムでは、価格転嫁の促進と働き方改革の両立がテーマとなり、愛知県副知事、公正取引委員会、トヨタ自動車、中小企業代表らが講演やパネルディスカッションを行いました。

愛知県副知事は、従業員のワークライフバランスを実現するための「休み方改革」には、価格転嫁による年休要員確保が重要だと述べました。公正取引委員会は、労務費転嫁交渉指針の策定や調査・指導など、価格転嫁促進に向けた取り組みを紹介。トヨタ自動車は、サプライチェーン全体での価格転嫁の重要性を強調し、材料費や人への投資などへの対応策を説明しました。

パネルディスカッションでは、中小企業の代表者らが、価格転嫁や働き方改革への具体的な取り組みや課題を共有。価格転嫁は単なるコスト転嫁ではなく、顧客との信頼関係構築、生産性向上、サービス向上のための努力を伴うものとして捉えるべきだと議論されました。また、働き方改革は、従業員の定着率向上やモチベーション向上に繋がり、ひいては企業の競争力強化に繋がるという共通認識が示されました。

シンポジウム全体を通して、価格転嫁と働き方改革は、企業の持続可能な成長には不可欠であり、企業規模や業種を問わず、真摯な取り組みが必要であることが改めて示されました。 各企業の工夫や試行錯誤、そして未来への強い責任感と危機感が、参加者にとって大きな示唆を与えたと言えるでしょう。