福島県農業の未来：GAP認証、新品種開発、そしてスマート農業の取り組み

福島県農業総合センターは、令和7年度の試験研究・業務成果として、以下の4点を報告しています。

1. **GAP認証の経営改善効果：** GAP認証取得による経営改善効果は、法人経営体や個別出荷を行う経営体で顕著であり、認証取得年数に比例して「販路拡大」と「販売単価の安定・向上」が促進される傾向が見られました。

2. **新品種「ナシ福島7号」の開発：** 「幸水」より収穫が早く、ミルクのような甘い香りが特徴の新品種「ナシ福島7号」を開発。黒星病にも強い傾向が見られ、食味評価も高い結果を得ています。品種登録出願後、さらなる高品質化を目指した研究が継続されます。

3. **ナシヒメシンクイ対策：** 近年増加するナシヒメシンクイ被害に対し、シペルメトリン水和剤、トラロメトリン水和剤、アセタミプリド水溶剤、スピネトラム水和剤、クロラントラニリプロール水和剤が効果的で、残効も長いことが確認されました。

4. **ブドウの「皮ごと食べやすさ」評価法の確立：** 消費者のニーズの高まる「皮ごと食べられるブドウ」について、官能評価に加え、物性値と可溶性タンニン含有量を用いた客観的な評価法を確立。新品種育成や収穫判断に活用できます。

さらに、施設キュウリの栽培において、ミストと日射制御型遮光を併用することで、収量確保と作業環境改善の両立が確認されました。 これらの成果は、福島県農業の持続可能な発展に貢献するものです。