京都府 宇治市 公開日: 2025年10月07日
【第35回紫式部文学賞】『大使とその妻』、異文化とアイデンティティの交錯を描く感動の物語
第35回紫式部文学賞に、水村美苗さんの『大使とその妻』が選ばれました。
物語は、コロナ禍を避けて山小屋で冬を越そうとするゲイのアメリカ人男性ケヴィンが、日本語で手記を綴ることから始まります。彼は、亡き兄への劣等感や家族との確執を抱え、日本で動画サイトを立ち上げていました。
そんなケヴィンは、隣に越してきた元外交官・篠田氏の妻、貴子に強く惹かれます。貴子は、第二次世界大戦後、ブラジルで「勝ち組」の父のもとに生まれ、日本的な文化を身につけていきます。彼女の数奇な生い立ちと、日本への強い憧れが描かれます。
物語は、ケヴィンと貴子、そして篠田夫妻の交流を通して、グローバリゼーションの時代を生きる人々の人生模様を繊細に描いています。ケヴィンは貴子との交流から、姉との関係を修復し、自身の過去と向き合っていきます。
選考委員からは、「大きな歴史の流れと小さな人間の悲しみや夢のクロニクル」「『かぐや姫』的な貴種流離譚」「プルースト的な物語の日本版」といった評が寄せられ、読者を魅了する文学的手腕が高く評価されました。
水村さんは受賞にあたり、「源氏物語」に触れ、文学の繋がりと女性作家としての幸福を語り、今後も書き続ける決意を表明しました。
物語は、コロナ禍を避けて山小屋で冬を越そうとするゲイのアメリカ人男性ケヴィンが、日本語で手記を綴ることから始まります。彼は、亡き兄への劣等感や家族との確執を抱え、日本で動画サイトを立ち上げていました。
そんなケヴィンは、隣に越してきた元外交官・篠田氏の妻、貴子に強く惹かれます。貴子は、第二次世界大戦後、ブラジルで「勝ち組」の父のもとに生まれ、日本的な文化を身につけていきます。彼女の数奇な生い立ちと、日本への強い憧れが描かれます。
物語は、ケヴィンと貴子、そして篠田夫妻の交流を通して、グローバリゼーションの時代を生きる人々の人生模様を繊細に描いています。ケヴィンは貴子との交流から、姉との関係を修復し、自身の過去と向き合っていきます。
選考委員からは、「大きな歴史の流れと小さな人間の悲しみや夢のクロニクル」「『かぐや姫』的な貴種流離譚」「プルースト的な物語の日本版」といった評が寄せられ、読者を魅了する文学的手腕が高く評価されました。
水村さんは受賞にあたり、「源氏物語」に触れ、文学の繋がりと女性作家としての幸福を語り、今後も書き続ける決意を表明しました。

水村美苗さんの『大使とその妻』、紫式部文学賞受賞おめでとうございます!コロナ禍の山小屋でゲイのアメリカ人男性が日本語で手記を綴り、元外交官の妻との交流を通して自身の内面と向き合っていく…というあらすじに、まず惹きつけられました。グローバリゼーションの時代に生きる人々の複雑な感情や、日本的な文化への憧れといったテーマが、どのように繊細に描かれているのか、とても興味深いです。「かぐや姫」やプルーストに例えられる文学的な深さも、読むのが楽しみです。
そうなんですね、受賞されたんですか。僕もあらすじを読んで、なんだか気になっていました。文化や国籍を超えた人間関係とか、過去との向き合い方とか、そういうところに静かに惹かれるものがありますよね。選考委員の方々のコメントも、作品への期待感を高めてくれます。文学的な深みがありながらも、現代的なテーマを扱っているところが、多くの人に響くのかもしれませんね。
