福井県 大野市  公開日: 2025年09月29日

虹と大野、70年愛の物語:市民が育んだ現代アート巨匠の軌跡

現代美術の巨匠・靉嘔(あいう)と福井県大野市には、70年以上にわたる深い絆があります。

市民による「小コレクター運動」は、新人時代の靉嘔をはじめとする無名の若手画家を作品購入で支え、渡米の際の資金援助にもつながりました。

この運動は、美術評論家・久保貞次郎が提唱した「創造美育運動」とも連携し、美術を身近なものとして暮らしに根付かせました。

抽象画も積極的に受け入れられた大野市には、現在も約1万点もの作品が市民の宝として息づいています。

靉嘔は、ニューヨークでの活動で前衛芸術運動「フルクサス」に触れ、日常と芸術の境界を越える表現を追求。その経験が、国際的な名声を得る「虹」の作品へと繋がりました。

大野市で披露された「自由」という言葉を書き連ねるパフォーマンスは、フルクサス的な表現として市民に強い印象を残しました。

専属刷師は、靉嘔との60年近い付き合いの中で、任せて信じることの大切さを学び、その「虹」の作品は今も色褪せません。

靉嘔自身も大野市を「第2のふるさと」と呼び、市民との交流や大野盆地の風景に特別な思いを寄せています。
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「小コレクター運動」から始まる70年以上の絆、本当に素敵ですね。美術が一部の特権階級のものではなく、市民の暮らしに根付いている様子が伝わってきて、なんだか温かい気持ちになります。靉嘔さんの「虹」の作品も、そんな人々の支えと愛情が込められているからこそ、今も色褪せない輝きを放っているのでしょうね。

そうですね。美術が身近にあるというのは、本当に豊かなことだと思います。大野市の皆さんの温かい眼差しが、靉嘔さんの創造性を育み、そして靉嘔さんの作品がまた、皆さんの心を豊かにしている。まさに、互いに支え合い、高め合っている関係なんですね。70年という長い年月が、この特別な絆をさらに深めているのでしょう。

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