東京都中小企業の現状と展望：7月調査結果から読み解く景況感と課題

東京都産業労働局が発表した令和7年7月調査によると、都内中小企業の景況感は6月はやや悪化し、今後の見通しについても慎重な姿勢が強まりました。業況DIは-24となり前月より悪化、業況見通しDIも-21とやや悪化しました。業種別では、卸売業、サービス業、小売業が軒並み悪化、製造業は横ばいでした。売上高は前年同月比で横ばいでしたが、業種別では製造業はやや改善、小売業はわずかに悪化しました。

今後の見通しについても、製造業と小売業は悪化、卸売業とサービス業はわずかに悪化が見込まれています。設備投資はほぼ横ばい、採算状況は全業種で改善、資金繰りも改善傾向にあります。雇用人員については不足感がわずかに弱まりました。

コスト増加の要因としては、「原材料価格」が最も高く、次いで「人件費」、「エネルギー価格」が挙げられています。今回の調査は、郵送とインターネットで3,875社を対象に行われ、1,394社から回答を得ました（回答率36.0％）。この調査結果を基に、東京都は中小企業支援策を検討していくとのことです。中小企業の経営環境は依然として厳しい状況が続いており、今後の動向に注目が必要です。