戦後80年、平和への問い：世田谷区長の談話室が問いかける未来

令和7年9月放送の「区長の談話室」では、ノンフィクション作家・評論家の保阪正康氏をゲストに迎え、「戦後80年、平和を伝えていく！＜後編＞」をテーマに議論が展開されました。

番組では、世田谷区平和都市宣言40周年、せたがや未来の平和館開館10周年という節目を迎え、平和の重要性を改めて問い直しました。保阪氏は、江戸時代の265年間の平和と、明治以降の戦争の激動期を対比させ、日本の歴史における戦争の特異性を指摘。太平洋戦争における異常性を理解するためには、長期的な視点と、当時の思想や価値観を分析することが重要だと強調しました。

「せたがや未来の平和館」の展示についても言及。戦争そのものだけでなく、その前後における日本の歴史的背景を網羅することで、この時代の異常性を浮き彫りにしている点を評価しました。 また、戦争体験者の証言や資料を通して、戦争の精神的傷跡が戦後も長く続くこと、そして、戦争被害者の支援体制の不備についても問題提起されました。

番組では、日本の軍人恩給制度の不公平さや、戦時下の情報操作、言論統制なども取り上げ、平和な社会を築くための反省と、未来へのビジョンを持つことの必要性が訴えられました。 最後に、せたがや未来の平和館が、世代を超えて平和について考える拠点となるよう、その重要性が改めて強調されました。 同館では、戦争体験者の証言や資料を通して、平和について考える様々な企画を実施しています。