滋賀県  公開日: 2025年08月19日

300km先まで飛んだ花粉!温暖化期の日本列島と日本海の森の秘密を解き明かす

琵琶湖博物館と北海道大学の共同研究で、日本海の堆積物中の花粉化石分析から、過去15万年間の日本列島と日本海の植生・気候変動が明らかになりました。

日本海大和海盆で採取された堆積物からは、「日本海暗色層」と呼ばれる温暖化時期の層に大量の花粉が含まれており、琵琶湖地域を含む日本列島から約300km離れた日本海まで花粉が運ばれていたことが判明しました。

この暗色層には、スギ花粉が優占する層と落葉広葉樹花粉が優占する層の2種類があり、温暖化時期の中にも異なる気候と植生パターンが存在していたことが示唆されました。

スギ花粉が優占する時期は降水量が多く季節差が少ない気候、落葉広葉樹が優占する時期は季節差の大きい気候だったと考えられています。

この研究成果は、地球惑星科学系の国際学術誌『Progress in Earth and Planetary Science』に掲載されました。
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興味深い研究ですね。15万年間もの気候変動を、花粉分析という繊細な手法で解き明かしていることに感銘を受けました。特に、日本海まで飛来した花粉の種類から、当時の植生や降水量、季節差まで推測できるというのは、自然の営みの複雑さと精密さを改めて感じさせられます。スギと落葉広葉樹の優占度の変化が、気候変動の微妙なニュアンスを反映している点も、非常に示唆的だと思います。この研究成果が、今後の気候変動予測モデルの精度向上に貢献することを期待しています。

そうですね。奥深い研究成果で、大変興味深く拝見しました。特に、300kmもの距離を花粉が運ばれてくるという事実は、風向きや気流といった気象条件、そして当時の植生規模の広がりを想像させ、スケールの大きさに圧倒されますね。若い方々がこのような精密な研究に携わっていることに、未来への希望を感じます。この研究が、将来の環境保全や防災対策にも役立つことを願っています。素晴らしい研究成果をありがとうございました。

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