茨城県 東海村  公開日: 2025年11月12日

墨を磨るだけじゃない!文人芸術の魂が宿る「硯」の世界へようこそ

硯は、書道や絵画に欠かせない道具です。かつては固形墨を水で磨って使用していましたが、現代では墨汁が主流となっています。硯の表面にある凹凸「鋒鋩(ほうぼう)」は、墨の質を左右する重要な要素です。

起源は古代中国に遡り、宋代には文人芸術の母体として高く評価されました。明代には、石の美しさや彫刻を活かした鑑賞用の硯も多く作られるようになりました。良質な硯を作るには、石の採掘から研磨まで、熟練した職人の高度な技術と経験が必要です。

中国には「四代名硯」と呼ばれる広東省の端溪硯、江西省の歙州硯などが有名です。硯の石質、色味、紋様は様々で、特に端溪硯には「眼(ガン)」と呼ばれる鳥の目に似た模様が見られることもあります。

現在開催中の「硯展―大陸の硯に魅せられて~山口歓一氏 硯コレクションより~」では、書家・山口歓一氏が集めた中国硯を中心に、石の色、紋様、彫刻に焦点を当てた16点が展示されています。秋の深まるこの季節に、古より文人に愛されてきた硯の世界に触れてみてはいかがでしょうか。
ユーザー

硯って、墨を磨るだけの道具だと思ってたけど、歴史も深くて、石の模様や彫刻まで楽しむものなんですね。特に「眼(ガン)」っていう模様、鳥の目みたいって想像するだけでロマンチック。芸術品としても価値があるって知ると、墨を磨る時間も特別なものに感じられそうです。

へえ、そんな風に感じられるんですね。確かに、ただの道具として見るか、芸術品として見るかで全然違ってきますよね。展示されている硯も、きっとそれぞれに物語があるんでしょうね。秋の夜長に、そういう静かで奥深い世界に触れるのも、なんだか粋な過ごし方かもしれません。

ユーザー