令和7年5月の鉱工業生産指数は、前月比15.8％増と4ヶ月連続の増加を記録し、117.3（季節調整済、令和2年=100）となりました。これは、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業、食料品工業などの好調な業績が牽引した結果です。一方、化学工業や石油・石炭製品工業などは減少を示しました。

生産指数の上昇は、国内需要の回復や世界的な半導体不足の緩和といった要因が考えられます。特に、自動車産業の回復が輸送機械工業の増加に大きく貢献していると考えられます。

一方、鉱工業生産者製品在庫指数も前月比11.6％増と2ヶ月連続の増加で、99.1となりました。食料品工業や機械工業などが在庫増加に寄与しました。 これは、需要の増加に生産が追いつかず、在庫が積み上がっている可能性を示唆しています。

さらに、前年同月比で見ても、生産指数は0.5％増と2ヶ月ぶりのプラス、在庫指数は18.4％増と4ヶ月連続のプラスとなりました。これは、日本の製造業が堅調に回復しつつあることを示す重要な指標と言えるでしょう。

ただし、一部業種では依然として生産の減少が見られるため、今後の動向を注視する必要があります。 原材料価格の高騰や世界経済の不確実性など、今後の生産動向に影響を与える可能性のあるリスク要因にも注意が必要です。 今後の経済情勢と合わせて、日本の製造業のさらなる発展に期待したいところです。