ダンプ街道の知られざる物語：中井町が「理想郷」と呼ばれた理由

中村小学校での読み聞かせで、芥川龍之介の『トロッコ』と共に、佐久間充著『ああダンプ街道』の一節が紹介されました。

本書は、高度成長期に砂利採取で栄えた中井町の様子を、交通問題や運転手の実情を交えて多角的にルポしています。

特に、「型破り巡査の奮戦―神奈川県中井町」という文章では、元中村駐在の高橋昭一さんの活動を中心に、骨材協同組合、ダンプカー運転手の組合、警察、町などが連携し、事故や過積載を防ぐ「中井方式」が確立された経緯が描かれています。

この「中井方式」により、運転手の安全意識が高まり、過積載が是正され、砂利の飛散も防止されました。結果として、ダンプカーの寿命が延び、運転手の生活が安定し、中井町は「ダンプの理想郷」と呼ばれるようになりました。

著者の佐久間充さんは、故郷のダンプ公害をきっかけに全国調査を行い、高橋さんの証言も交えた動画も作成されています。この記事では、中井町の人々と歴史が紡いできた物語が語られています。